大道芸観覧レポート モノクロ・フィルムでつづるkemukemu

大道芸、昔の広告、昔のテレビ番組、中井久夫、フーコー

しゅうちょう

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7月の祝日、「しゅうちょう」を見る。

横浜の山下公園は、今にも雨が降りそうで(実際、このあと降ってきた)、
どんよりしていて暗い。それでも、人は集まった。

以前、上野公園でも一度見たことがあるが、
この人の、観客をシラケさせないで、
ぐんぐんひっぱり、場をもりあげていくトークは、天才的だ。
そして、大きな芸と小さい芸を、
変化をつけて巧みに組み合わせ、あきさせない。

さて、演技が終わったあと彼が、会場を区画していた小さなかわいい
三角のカラーコーンを、片付けはじめていたときだった。
1,2歳の子どもが、最後に残った2、3個のコーンをオモチャのように遊んでいた。
しかし、彼はそれをすぐに取りあげずに、
子どものところに、今まで重ねたコーンをもっていって、
子どもと向き合うようにしゃがんだ。
彼は、コーンで子どもが遊んでいるのをゆっくり待ち、
その後子どもに「上に重ねてみよう」とでもいうように合図した。
子どもが積み木のように、その残ったカラーコーンを重ね終わると、
彼は子どもに拍手をした。
その子どもはもちろん、そばにいた親もにっこりと微笑んだ。

子どもから大人までいい笑顔にする「大道芸」は、
心の余裕と「やさしさ」がなくてはできないのだと、
そのとき私は思った。