大道芸観覧レポート モノクロ・フィルムでつづるkemukemu

大道芸、昔の広告、昔のテレビ番組、中井久夫、フーコー

明治の風景

・・・・・ 明治の風景 <上の絵> 当時の東京の最大貧民窟の一つであった四ツ谷鮫ケ橋付近の明治36年10月夕方の風景(「風俗画報」277号) ここに住んでいた人は、車夫(人力車をひく人)、土方などの日雇い、三味線ひき(鳥追)、いろいろな行商人、軽業な…

<名誉の戦死>

・・・・ <名誉の戦死> 万歳!万歳!、日の丸の旗と旭日旗、提灯行列の興奮、熱狂のかげで・・・ 「風俗画報」第285号・明治37年3月25日発行 日露戦争開始(2月8日)直後に、 事実として描かれたものだろう。 この絵から、それぞれの葛藤や慟哭が感じられ…

軍国主義を論ず(幸徳秋水)

・・・・ 「帝国主義」幸徳秋水著 明治34年 (即発禁処分) 「第3章 軍国主義を論ず」から すでに、明治34年、幸徳秋水によって、 古参兵の問題、徴兵忌避、脱走などの事実が指摘されている。 明治22年徴兵令では、満20歳の男子から抽選で3年の兵役(常備軍…

世の婦人達に(平塚らいてう)

・・・・ 「世の婦人達に」 この105年前(1913年)の文章(当時この箇所について問題とされ発禁)のエネルギーに、妙に驚きと新鮮味を感じてしまう。 そして、発売禁止処分の対象とされるこの時代の背景の重苦しさを・・・。 「世の婦人達に ・・・・…

美当一調

・・・・ いま見直したい、美当一調。 「人間僅か(わずか)五十年、下典(げてん)の中に較(くら)ぶれば、夢幻(まぼろし)の如くなり、一たび娑婆に生を受け、滅びぬ者のあるべきぞ、生者必滅(しょうじゃひつめつ)、会者定離(えしゃじょうり)とは、…

「カルーソー」

・・・・ 「カルーソー」(作詞・作曲・歌:ルチオ・ダッラ) 歌っているのは、 ルチオ・ダッラはボローニャ生まれのシンガーソングライター(1943ー2012)。 日本では、ほとんど知られていないが、 イタリアでは超有名人らしい。 この「カルーソー…

Ne me quitte pas(「行かないで」)

Ne me quitte pas (作詞・作曲・歌)ジャック・ブレル 日本語タイトル「行かないで」 *あまり深く考えないで、 歌のもつふんいきを聞きたい曲。 ただひたすら「行かないで」(Ne me quitte pas)と。 youtube(これがベスト) ↓ https://www.youtube.com/wa…

スマホが大好きなママへ

スマホが大好きなママへ 赤ちゃんのボク(ワタシ)から (kemukemuが想像して代弁) ・ママのこと好きだけど、ボクといるときに「スマホに夢中になっているママ」は、きらい。「悪いママだ」! 食べ物をくれるときだけは、「いいママ」だと思う。 ・ボクが、…

「かもめの街」

「かもめの街」 歌:ちあきなおみ 1988年発売 作詞:ちあき哲也 作曲:杉本真人 やっと店が終わって ほろ酔いで坂を下りる頃 白茶けたお天道が 浜辺を染め始めるのさ そんなやりきれなさは 夜眠る人にゃ分らないさ 波止場に出れば カモメがブイに2、3羽 一服…

少年Aの精神鑑定主文

少年Aの精神鑑定主文 文芸春秋2015年5月号「家裁審判決定(判決)」全文」、1999年『「少年A」この子を生んで・・・』より ・・・・ 主 文 少年を医療少年院に送致する。 理 由 (略) 少年は母乳で育てられたが、母は生後10月で離乳を強行した。具体的な…

戦争とストレス 特別番外編 2

・・・・・・ 故・臨床心理療法家・霜山徳爾の言葉から ●「そもそも人間のいとなむ社会では、「縁」ということばの意味深さを、つくづくと感じさせ、数奇な体験を味わわせるさまざまな出会いに満ちている。それらを直截に把握するためには、これらの多様な事…

戦争とストレス 特別番外編

ここで、突然、番外編! <昔の精神科医の言葉から> ●「精神病理学的諸現象の現象学的考察に際して特に重要なことは、決してひとつの孤立した現象に眼を奪われないということです。現象というものはいつも自我とか背景の上に生じるものです。別の言い方をす…

「戦争とストレス」語録 13

・・ その1『戦争における「人殺し」の心理学』から ~12 (デーヴ・グロスマン著) 「 殺人の恍惚に酔いしれているなら別だが、少し距離をおくほうが破壊は簡単になる。1フィート離れるごとに現実感は薄れてゆく。距離が膨大になると想像力は弱まり、ついに…

「戦争とストレス」語録 12

・・ その1『戦争における「人殺し」の心理学』から ~11 (デーヴ・グロスマン著) 「 すでに数々の研究で結論づけられているように、戦闘中の人間はたいていイデオロギーや憎しみや恐怖によって戦うのではない。そうではなくて(1)戦友への気遣い、(2…

「戦争とストレス」語録 11

・・ その1『戦争における「人殺し」の心理学』から ~10 (デーヴ・グロスマン著) 「 戦闘中の兵士は悲劇的ジレンマにとらわれている。殺人への抵抗感を克服して敵の兵士を接近戦で殺せば、死ぬまで血の罪悪感を背負いこむことになり、殺さないことを選択…

「戦争とストレス」語録 10

・・ その1『戦争における「人殺し」の心理学』から ~9 (デーヴ・グロスマン著) 「 恐怖と疲憊(ひはい)の向こうには凄惨な世界が広がっている。その世界は兵士を取り巻き、五感に襲いかかってくる。 負傷者や死にゆく者の哀れな悲鳴が聞こえる。糞尿…

「戦争とストレス」語録 9

・・ その1『戦争における「人殺し」の心理学』から ~8 (デーヴ・グロスマン著) 「 戦闘で兵士がこうむる精神的損傷には、奥深くに隠された原因がある。むき出しの攻撃的対決にたいする抵抗感、それが死や負傷への恐怖とあいまって、戦場のトラウマとス…

「戦争とストレス」語録 8

・・ その1『戦争における「人殺し」の心理学』から ~7 (デーヴ・グロスマン著) (前回からのつづき) 「・-妄想および強迫状態 転換ヒステリーと症状は同様だが、この状態の兵士は自分の症状が病的であること、その根本原因が恐怖であることを認識し…

「戦争とストレス」語録 7

・・ その1『戦争における「人殺し」の心理学』から ~6 (デーヴ・グロスマン著) 「 リチャード・ゲイブリエルの「もう英雄は要らない」では、精神的戦闘被害のさまざまな症状や発現例が歴史的に検討されている。ゲイブリエルがあげているのは、疲労症状…

「戦争とストレス」語録 6

・・ その1『戦争における「人殺し」の心理学』から ~5 (デーヴ・グロスマン著) 「・・・ホームズの記録しているあるベトナム帰還兵によれば、彼とともに戦った海兵隊員たちは、戦闘のあとにある悟りに達していたという。 「自分たちが殺した若いベトナ…

「戦争とストレス」語録 5

・・ その1『戦争における「人殺し」の心理学』から ~4 (デーヴ・グロスマン著) 「 ダイアもまたこの問題を真剣にとりあげ、理解を深めていった。彼の調査に応じた人々がよく知っていたこと、そしてダイア自身も理解していたのはこういうことだー 「人…

「戦争とストレス」語録 4

・・ その1『戦争における「人殺し」の心理学』から ~3 (デーヴ・グロスマン著) 「 敵の頭上高く発砲する、進んで発砲する者の手助けをする(装填を引き受けるなど)。このふたつのほかに選択肢はもうひとつある。デュピクはこのことをよく理解していた…

「戦争とストレス」語録 3

その1『戦争における「人殺し」の心理学』から ~2 (デーヴ・グロスマン著) 「 言うまでもなく、マスケット銃(*砲身や銃身の先端側の銃砲口から砲弾や銃弾、装薬を装てんする方式の歩兵銃)やライフル銃(*兵士が個人用に使うための軍用銃)を撃つと…

「戦争とストレス」語録 2(番外編)

突然、番外編! 『ベトナム戦争神経症』(1978年、フィグレー編)の第2章「戦闘ストレスの精神力動」P65に、次のような記載がある。 「外傷性戦争神経症 ・・・・・ カーディナー(1959)の記載した外傷性神経症は、破局的な夢、過敏(大きな音に敏感になっ…

「戦争とストレス」語録 1

「戦争とストレス」語録 その1『戦争における「人殺し」の心理学』から ~1 (デーヴ・グロスマン著) 「心に痛手を受ける体験をしたとき、それをだれにも話さずにいると深く傷つくことになりやすい。人に話すことは、自分の体験を客観的に眺めるのに役立…

中井久夫語録(戦争)了

中井久夫(1934年生) 「戦争と平和 ある観察」(2005) *『樹をみつめて』みすず書房(2006) または『戦争と平和 ある観察』人文書院(2015)から 「 一般に、敗戦国では戦後を否認する者と戦後を受容する者とにわかれる。第一次大戦後のドイツでは否認す…

中井久夫語録(戦争)19

中井久夫(1934年生) 「戦争と平和 ある観察」(2005) *『樹をみつめて』みすず書房(2006) または『戦争と平和 ある観察』人文書院(2015)から 「 リデル=ハートは、その『戦略論』において、成功した戦争は少なく、また戦争の後遺症は予想外に永続的…

中井久夫語録(戦争)18

中井久夫(1934年生) 「戦争と平和 ある観察」(2005) *『樹をみつめて』みすず書房(2006) または『戦争と平和 ある観察』人文書院(2015)から 「 一般に、戦闘における死者の大部分は逃走中に生じるが、それは人間の顔に向かって射撃するのは精神的抑…

中井久夫語録(戦争)17

中井久夫(1934年生) 「戦争と平和 ある観察」(2005) *『樹をみつめて』みすず書房(2006) または『戦争と平和 ある観察』人文書院(2015)から 「<人間はいかに戦争人(Homo pugnans)たりうるか> 人間といっても、これは圧倒的に男性であり、女性兵…

中井久夫語録(戦争)16

中井久夫(1934年生) 「戦争と平和 ある観察」(2005) *『樹をみつめて』みすず書房(2006) または『戦争と平和 ある観察』人文書院(2015)から 「 非対称戦争は、(1)価値観の違う軍隊間に起こる戦争である。(2)戦争形式は質的に異なり、敵対者間…