大道芸観覧レポート モノクロ・フィルムでつづるkemukemu

大道芸、昔の広告、昔のテレビ番組、中井久夫、フーコー

昔の広告 (56) 昭和18年

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「航空朝日」 昭和18年1月号から      (画像をクリックすると拡大!)
ヒロポン




昔の広告(53)にも登場し、話題になったヒロポン
もっと、堂々と「覚醒剤」と表示した広告もあった。

法規制もないまま、昭和16年(1941)から
市販薬として売られていたという。
戦時中、工場での作業効率の向上や、
軍隊での特攻隊員の恐怖心軽減などの目的で使用されたらしい。
戦後、軍需品のヒロポンが、一般に出回って流行。
重大な社会問題となり、
昭和26年(1951)、施行された覚醒剤取締法の対象に指定され、
一般の使用が禁止された。

たしかに、このヒロポンの広告を見ると、
戦時中は、戦争(戦場)に向かう恐怖や不安を除くためにか、
一般の薬局でも販売され、推奨されているように感じる。
(→「昔の広告・(11)ビタミンも)

ふと「戦争と覚醒剤」....というきわめて危険?でタブーかもしれないテーマが浮かぶ。
人間は、教え(イデオロギー)、大和魂という「精神」、スローガン、度胸・心構え、
そして家族・郷土・国家の後押しだけでは、
人を殺し、また自ら死ぬことをに自分に納得させ、
バーチャルなゲームではない戦争で、敵と戦い抜くことはできない?!
戦時中のヒロポンが、逆に戦争をすることの重さを語っている。


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