大道芸観覧レポート モノクロ・フィルムでつづるkemukemu

大道芸、昔の広告、昔のテレビ番組、中井久夫、フーコー

1本の梯子(はしご)

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公園は、自由な「広場」であってほしい。
いろいろな人が集まり、なにかを発見する・・・
そして、なんらかの形での出会い・・・
老若男女、子どもから高齢者まで、
公園を散歩し、そしてあるときは静かにたたずむ。
これほどお金がかからない自由な行動はない。
お互いによく見かける常連さん・・・そこにも出会いがある。

ただの通りすがりの人たちの間にも、
ほんの少しの時間だが広場が生まれる
大道芸は、そのきっかけを作る「梯子(はしご)」だ。
道路付近での大道芸はむずかしい。
道路交通・通行上の規制があるからだ。
その点、許可された公園での大道芸やパフォーマンスは、
演じるほうも観るほうも安心できる。
一方これがもし、ステージで行われるのなら、
こんなに子どもからお年寄りまで、
いっしょになって楽しむことはあるだろうか。
人と人とが気軽に話せる距離、
そして演じるものと観るものが同じ平面にあるというのは重要なのだ。

いまの日本のどこに、
子どもからお年寄りまで、
気軽にいっしょに楽しめる機会や場があるだろうか。
地域の「祭り」というものがあるが、
儀礼や形式があって、気軽に「笑顔」というわけにはいかない部分がある。
しかし、もちろんそれはそれで、ハレの舞台でいいが。


公園の木々を含めた風景は、
通る人、たたずむ人を静かに見守っている。

しかし、見守っているのは風景だけではなかった。
雨の振らない土曜日や日曜日に、
浅草から自転車・リヤカーで荷物を積んできて50年以上も、
東京の上野公園の噴水池の十字路付近で売店を営んでいるTさんだ。
子供向けお菓子、ジュース、お面など・・・
いつかゆっくり、Tさんに、
上野公園のようすの移り変わりを聞いて見たいと思う。
「上野公園物語」・・・・




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