大道芸観覧レポート モノクロ・フィルムでつづるkemukemu

大道芸、昔の広告、昔のテレビ番組、中井久夫、フーコー

佐賀のがばいばあちゃん

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佐賀のがばいばあちゃん
谷東



封切りされてからだいぶたったが、きょうやっと渋谷で観る。


背景にあるのは、東京オリンピックまでの昭和30年代の風景。
よく、ここまで再現したなと思う。
たしか昭和28、29年ごろだったか、
「金になる」と聞かされ、鉄や銅くず拾いを、私も兄としたことがある。
「貧乏」が当たり前の時代だった。
豆腐屋さんのラッパが鳴り、
容器をもって買いにいく明広くん。まるで、当時の自分の姿だ。
男の子たちの夏のランニングシャツ姿。
これも、普通だった。
ガキ大将はいたが、陰湿なイジメはなかった時代、
まだ、モノを大事にしていた時代。
どこか、明るく未来へ「復興」していくイメージがあふれる時代だった。
昭和30年代の「原風景」。

ばあちゃんの「明るい貧乏」という言葉はいい。
昔は、こんな明るくてたくましいおばあちゃんが、たくさんいた。

映画に、舞台となった地元佐賀県の町の人々、中学生が、
エキストラで、たくさん参加しているのもいい。
そのせいか、マラソン大会の応援風景が、ごく自然だった。

ただ、過去を回想する大人が登場するシーンは、
余計だったかなという気がする。