昔の広告 （４５） 昭和１５年

「演芸画報」　昭和１５年１２月号から
灘の銘酒　キクカ（菊華）




「日本書紀」に記された神武天皇即位の年を紀元元年とし、
「紀元（皇紀）二千六百年」とされた昭和１５年（１９４０）には、
奉祝歌がつくられたり、全国各地で祝典が行われた。
１１月１０日、宮城前広場で、５万人が参加した
政府（近衛内閣）主催の「紀元２６００年式典」が開催された。
神話が史実とされた時代であった。

ところで、このキクカ（菊華）という清酒、
戦前はデパートなどでも扱いかなり売れたようだが、
その後の、このブランドのゆくえはインターネットで検索しても、
さっぱり出てこない。生薬の菊花とはちがう。
ただ、発売元の合資会社「小網商店」は、昭和のはじめに
キッコーマン系醤油問屋５社設立した会社で、酒類食品の卸問屋だったらしい。