大道芸観覧レポート モノクロ・フィルムでつづるkemukemu

大道芸、昔の広告、昔のテレビ番組、中井久夫、フーコー

バイアマーレの人たち

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ルーマニア・マラムレシュ
バイアマーレ(1996年)





バイアマーレは、マラムレシュ県の県庁所在地で、一番の都会。


<一番上の写真>
バイアマーレ駅でハンガリーのブタペスト(経由)行きの列車を待っていたとき、
しきりと話しかけてくる陽気な酔ったおじさん。
言っていることはほとんどわからなかったが、歓迎の雰囲気を感じただけで十分。


<真ん中の写真>
駅の近くの食料品店の店の人。お酒やジャムなどを売っている。


<一番下の写真>
この写真には、思い出がある。ルーマニアの旅のフィナーレにふさわしい。

息子と二人でリュックをしょって、バイアマーレ駅に向かって歩いているときだった。
左手には、市営住宅のようなアパートが何棟もつづく。
アパートのほうから、われわれの方に向かって、
何やら「オーイ」というような呼び止める声がした。
近くに行って見ると、アパートのすぐ横に卓球台(写真の左端)がすえつけられ、
十数人が卓球をしている。
なんと「いっしょにやろう」ということだった。
はじめはびっくりしたが、ブタペスト行きの夜行列車までまだ何時間もある。
せっかくの機会だから、つき合うことにした。
夕方のことだった。

1時間もいっしょに卓球をやってしまった。
あたりは、すっかり薄暗くなっていた。

とても、いまの日本では考えられない風景である。
どうみても小学生から20歳代のメンバーである。
英語やフランス語、ドイツ語を話せる人もいたり、大学生もいることがわかった。
いくら地域の団地に住む人たちとはいえ、
強いられたのでもなく、ごく自然に、
年齢が異なる若い人たちがいっしょになって、なかよく遊んでいるのだ。
そして、旅行者を呼び止めて「いっしょに卓球をやろう」と誘う発想!。

さいごにみんなの記念写真をとった。(ここに写っていない人も数人いるが)
日本に帰ってから、他の写真(我々もいっしょに肩を組んでいる)と合わせて、
写っている人数分の写真を焼き増しし、リーダーの女性(写真中央)に送った。
約1ケ月たって、お礼の手紙とルーマニアの魔よけ?の人形が送られてきた。


ルーマニアの人は親切で、陽気で明るく、開放的だ。そして笑顔がいい。

地球の片すみにこんな人たちがいることに驚き、癒され、また救われる。
ムルツゥメスク(ありがとう)! ルーマニアルーマニアの人々。

いい旅だったと、11年たったいまでも思う。




(「ルーマニア・マレムレシュの人々」 これで終了)