大道芸観覧レポート モノクロ・フィルムでつづるkemukemu

大道芸、昔の広告、昔のテレビ番組、中井久夫、フーコー

昔の広告 (124) 昭和16年

イメージ 1

「文藝春秋」 昭和16年4月号から   
第一徴兵




戦前の日本には普通の生命保険会社とは別に、
「徴兵保険」と呼ばれる保険を扱う徴兵保険会社があった。
明治31年に設立された日本で最初の徴兵保険会社である、
業界最大手の第一徴兵保険(のちの東邦生命、AIGエジソン生命保険に継承)の広告。

徴兵保険とは、
養老保険の一種で子供が小さいうちに加入して掛金を払っておくと、
その子供が徴兵検査の年齢に達したときなど約定の保険金が当人または家族に給付されるというものであったという。
一家の働き手が入営すると残された家族が経済的にきびしくなることや
入営中に自弁の諸費用が必要だったため。
生後すぐから満15歳までの男の子が加入できる。

保険金が給付されるのは具体的には、
現役兵として入営または入団したとき、補充兵として教育召集に応したとき、
幹部候補生、短期現役兵、現役志願兵として入営したとき、海軍志願兵令により志願兵となったとき、陸海軍の兵籍にせられるべき学校に入学したときまたは陸海軍委託学生、生徒となったとき、陸軍補充令により見習い士官となったときまたは海軍武官任用令により中少尉もしくは少尉候補生となったときなど。

戦争の長期化にともない、
国民統合の組織として1940年(昭和15)10月、大政翼賛会が結成され、
戦費調達のため国民貯蓄の奨励が国家的運動として展開されていた。
この徴兵保険加入も貯蓄の一つとして位置づけられていた。




・・・・・