大道芸観覧レポート モノクロ・フィルムでつづるkemukemu

大道芸、昔の広告、昔のテレビ番組、中井久夫、フーコー

7月7日 (了)

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「時局情報」(毎日新聞社昭和18年7月号から    (*必ず画像をクリックして拡大!)





冒頭の一部
「習慣のきりかへといふことは、単に予期し考へてゐるよりも、行ってしまへば、案外何でもないものである。
―― このことは、支那事変以来、誰しも感じてゐることだろう。
かくあるべしといふ方向だけは、漠然と頭に浮べてゐたとしても、
現実に、かくも気軽く、かくも雄々しく、かくも勇気を以て、
かふいう生活に入って行かうなどとは、恐らく誰一人感じてゐなかったらう。
而(しか)もわれわれは、さうした予想だもしなかった新しい習慣を、
今や何等の躊躇なく完全に身につけてしまってゐる。
考へれば、実に大きな飛躍だ。
――戦争は、かうした面でも大きな成長をもたらしてゐる。」


戦争は、直接の要請として戦時生活により、
生活の革新による飛躍と成長をもたらす。
戦争は民族の精神を浄化し、民族の生活を洗練する民族的脱皮をもたらす。

そして、大東亜戦争支那事変から出発していることが明らかに意識されている。
大東亜戦争の最後の解決は支那問題にある。」という。



将来の方向性のないままに、戦況の悪化の下、
戦争と戦時生活の肯定のための論理を
無理してつくらざるをえなかった当時の状況が、
言論統制下にある編集後記からもみてとれる。
早い話が
「いままで何とかなった。これからも、とにかく、がんばろう。
これが成長であり、飛躍なのだ」と。
こうして、ずるずるとひきのばされる戦争。



今年も、また8月15日の終戦記念日が近づいている。




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