大道芸観覧レポート モノクロ・フィルムでつづるkemukemu

大道芸、昔の広告、昔のテレビ番組、中井久夫、フーコー

12月8日 (2)

12月8日(2) 解放感



アメリカとの戦争の開始は、当時の日本人に、
まず、鬱屈した気分からの解放感をもたらした(ようである)。
それは、暗雲立ちこめる世界からさわやかな快晴の世界への変化である。
戦争が始まると、もやもやした気分など吹き飛んでしまう。
(以下、戦前の雑誌やネット上での12月8日特集などから抜粋)



・ついにやったか。
・いよいよ、その時がきた。
・いよいよ火蓋をきった。
・いよいよ始まった。
・ああいよいよ始まったな。
・「やったあ」と快哉を叫んで、つもりつもった鬱憤を吐き出した。
・来るべきものが、ついに来たという安心に似た心があった。
・ゆっくりラジオを聴きながら、いよいよ始まった戦争にひとり心躍らせていした。
・おごれる米英老大国、白人どもにパンチを加えたという痛快感。
・あっ、やった、やった、全身にあったしこりがその瞬間にさらりと解け去ってしまった、
 そうして、新たに胸がつまり、コメカミが痛くなり目頭があつくなった。
・心からカラッとした気持ちでいられるのが嬉しくて仕様がない。
・うっせきした気分が一気に払拭され、新たな希望をあらわしてきた。
・鬱屈した気持ちを取り払い、すっきりした、カラッとした気分。
・わだかまった胸のもさもさがさっと雲散霧消してしまい、妖雲はれて天日を仰ぐ思い。
・わが向かうところ今や決然として定まる。
・国家も個人も堪忍袋の緒を切るという時があるのだ。
・この明るさは満足の輝きなのだ。来るべきものの来た満足。
・泥沼に入った日中戦争のうしろめたさと暗澹たる気持ちが、米英と戦うということで、
 暗雲の晴れたような気持ちになった。
・耐えに耐えて来た心情から、「ついにやった」という衝撃。