メモ (2) 白川静
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白川静 「中国古代の民俗」、「初期万葉論」、「漢字」
神が降る 神霊を迎える
神の意思の媒介者→鳥:人の霊魂の一時的に変化した姿とする観念
死者の霊は、必ず時を定めてその故郷にかえるものとされた
渡り鳥の生態の神秘→霊魂の観念と結合
万葉集はおおむね呪歌としての性格をもつ
歌うこと、それに表現を与えることがなんらかの呪的な性格を伴う
歌:神に祈って祈ること
抑揚や律動が、ことだまとしての機能を高めるものとして、完成されたも のが歌
挽歌→本来は悲傷の歌であるよりも、鎮魂の歌
柿本人麻呂→行きだおれの死者をとむらう歌を多く作っている
→その怨霊を鎮めるための歌
古代人→雲や霧:死者の、あるいは遠くはなれている人の霊の表象とみる 青雲、朝霞、秋風
生命への回想
生命や霊魂の表象を、しばしば自然現象や、その存在の姿のうちに認め
た。
霧や雨はしばしば挽歌、あるいは相聞のおける人の嘆きの表象
たたなわる山なみも、野山を越えてたどりゆく道の長手すらも、古代の
人々の心象のなかでは、生命あるものであり、生命的なありかたの表象。
歌うことが魂振りであり、魂鎮め的な行為
挽歌は魂鎮めの方法
地霊をよびおこし、迎える
神霊をよび、新しい生命を賦与するための儀礼
古代の歌謡:魂振り、魂鎮めとしての呪歌
枕詞:地名・地霊をよびおこし、地霊との霊的な交渉にはいることを知らせるため
地霊を称え、地霊を安らぎ鎮める方法
地讃め、国讃め
足が地にふれる 草摘み 地霊との交渉
女子を地に臥せる→女子を地霊に接しさせて、その生成力を身につけさせるため
このときもつ玉は、霊魂のシンボル
呪力の強いもので、新しく生まれた霊を守る
化粧:神につかえるときにのみ用いられた。仮面的な意味。
仮面の代わりに、化粧をほどこした。
草摘み:思う人のために魂振りとして、家にのこされたものがする予祝的行為
野に臥す:魂振り
地に臥して寝る→地の神霊と交わる
山行き、山尋ね:霊的な接近
旅宿り:霊との接触と接受、継体受霊、霊を呼び起こし受霊→復活
死者への追憶と鎮魂
宿る:地霊に接する、復活を意味する儀礼的呪的行為
→死者の魂を求めて山尋ねする「魂乞い」の儀礼
言霊:神のことば、神の発する異様な音声 神霊の浮動、浮遊
言霊はことばとして歌いあげることによって作動する
→ことばとしてあらわされたものは、相手にはたらきかけ、そのままに
じつげんされるべきもの
ことばが神とともにあった、神そのものであった時代
呪言としてのことば
→日常のことばづかいと多少異なっている方が呪能の効果を高めると考えられた
適当な抑揚やリズム→その古代的なものが「うた」
歌:神に訴え、哀告することば
巫女の舞:雨乞いのためのもの 衣の袖に呪物(中国)
楽器の音→神の霊をよび出し、邪霊を払うためのもの
霊は鳥の形になって、どこかに去っているという考え方
鳥をみては、祖霊があらわれたのだとかんがえたりする 渡り鳥
旅にあって、生い茂る草花をながめること:予祝的な意味をもつ
樹の姿、葉におく雨露のさま、樹木の繁茂のさまを歌うことも、自然の生命力にふれ、それを身につける方法
雲や虹などの天象が生命力をもつ
万葉集
「見れど飽かぬ」:山川の賛歌の定まった呪的表現、
その永遠性をたたえることによって、その歌は魂振り的に機能
「見る」→山川自然の姿、空ゆく雲、沖に漕ぐ舟すらもみな、そのうち
にゆたかな生命力をもつと観ぜられ、それを「みる」ことに
よって、その生命力は自己のうちのものとなり、魂振り的に
機能する=生命力と同化し、これを自己のうちに吸収する
枕詞の起原→地霊に対する呪語 地霊にいいきかせる→地讃め
見ること→相手の霊と交渉をもつこと
朝霞→死者の霊のあらわれ 挽歌
草木にそよぐ風→自然のいぶき、神のおとずれ
生:霊が来る
死:霊が去ること
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白川静 「中国古代の民俗」、「初期万葉論」、「漢字」
神が降る 神霊を迎える
神の意思の媒介者→鳥:人の霊魂の一時的に変化した姿とする観念
死者の霊は、必ず時を定めてその故郷にかえるものとされた
渡り鳥の生態の神秘→霊魂の観念と結合
万葉集はおおむね呪歌としての性格をもつ
歌うこと、それに表現を与えることがなんらかの呪的な性格を伴う
歌:神に祈って祈ること
抑揚や律動が、ことだまとしての機能を高めるものとして、完成されたも のが歌
挽歌→本来は悲傷の歌であるよりも、鎮魂の歌
柿本人麻呂→行きだおれの死者をとむらう歌を多く作っている
→その怨霊を鎮めるための歌
古代人→雲や霧:死者の、あるいは遠くはなれている人の霊の表象とみる 青雲、朝霞、秋風
生命への回想
生命や霊魂の表象を、しばしば自然現象や、その存在の姿のうちに認め
た。
霧や雨はしばしば挽歌、あるいは相聞のおける人の嘆きの表象
たたなわる山なみも、野山を越えてたどりゆく道の長手すらも、古代の
人々の心象のなかでは、生命あるものであり、生命的なありかたの表象。
歌うことが魂振りであり、魂鎮め的な行為
挽歌は魂鎮めの方法
地霊をよびおこし、迎える
神霊をよび、新しい生命を賦与するための儀礼
古代の歌謡:魂振り、魂鎮めとしての呪歌
枕詞:地名・地霊をよびおこし、地霊との霊的な交渉にはいることを知らせるため
地霊を称え、地霊を安らぎ鎮める方法
地讃め、国讃め
足が地にふれる 草摘み 地霊との交渉
女子を地に臥せる→女子を地霊に接しさせて、その生成力を身につけさせるため
このときもつ玉は、霊魂のシンボル
呪力の強いもので、新しく生まれた霊を守る
化粧:神につかえるときにのみ用いられた。仮面的な意味。
仮面の代わりに、化粧をほどこした。
草摘み:思う人のために魂振りとして、家にのこされたものがする予祝的行為
野に臥す:魂振り
地に臥して寝る→地の神霊と交わる
山行き、山尋ね:霊的な接近
旅宿り:霊との接触と接受、継体受霊、霊を呼び起こし受霊→復活
死者への追憶と鎮魂
宿る:地霊に接する、復活を意味する儀礼的呪的行為
→死者の魂を求めて山尋ねする「魂乞い」の儀礼
言霊:神のことば、神の発する異様な音声 神霊の浮動、浮遊
言霊はことばとして歌いあげることによって作動する
→ことばとしてあらわされたものは、相手にはたらきかけ、そのままに
じつげんされるべきもの
ことばが神とともにあった、神そのものであった時代
呪言としてのことば
→日常のことばづかいと多少異なっている方が呪能の効果を高めると考えられた
適当な抑揚やリズム→その古代的なものが「うた」
歌:神に訴え、哀告することば
巫女の舞:雨乞いのためのもの 衣の袖に呪物(中国)
楽器の音→神の霊をよび出し、邪霊を払うためのもの
霊は鳥の形になって、どこかに去っているという考え方
鳥をみては、祖霊があらわれたのだとかんがえたりする 渡り鳥
旅にあって、生い茂る草花をながめること:予祝的な意味をもつ
樹の姿、葉におく雨露のさま、樹木の繁茂のさまを歌うことも、自然の生命力にふれ、それを身につける方法
雲や虹などの天象が生命力をもつ
万葉集
「見れど飽かぬ」:山川の賛歌の定まった呪的表現、
その永遠性をたたえることによって、その歌は魂振り的に機能
「見る」→山川自然の姿、空ゆく雲、沖に漕ぐ舟すらもみな、そのうち
にゆたかな生命力をもつと観ぜられ、それを「みる」ことに
よって、その生命力は自己のうちのものとなり、魂振り的に
機能する=生命力と同化し、これを自己のうちに吸収する
枕詞の起原→地霊に対する呪語 地霊にいいきかせる→地讃め
見ること→相手の霊と交渉をもつこと
朝霞→死者の霊のあらわれ 挽歌
草木にそよぐ風→自然のいぶき、神のおとずれ
生:霊が来る
死:霊が去ること
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