大道芸観覧レポート モノクロ・フィルムでつづるkemukemu

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メモ (3) 土橋寛

土橋 寛 「日本語に探る古代信仰」



日本の古代信仰 霊力・呪力
魂振り:タマ(生命力・霊力)を振り動かして活力を与える
 魂振りの呪物→常緑樹、玉の緒(多くのタマを一本の糸に連ねる)、鏡、木綿(ゆふ)、挿頭

突く;眠ったようになったタマに霊力を与える魂振りの呪術
糸を結ぶ:魂が体から遊離しないように結びこめる魂しづめの呪術
タマ→人間生活に重要な関係をもつすべての物に存在している
山の花や青葉を見て衰えたタマシイ(生命力)に活力を与える
生命力・霊力としてのタマ→その活動が揺れ動く姿において観念されて
いた。
玉の緒:魂振りの呪物→首や手首に巻くのは、装飾であるよりは、生命力を強化する魂振りの呪物
葉広で生命力・霊力が強い植物:槻(欅けやき)、橿、椿、楓、などの樹
木、笹、柴、藻などの草木→呪力がある→神聖な木や草
→木綿、標縄が垂(しで)で懸けられるのはヒラヒラと翻る形状による
イハフ:霊力・生命力を与える
花→人の生命力を強化するタマフリの呪力がある 房状の花序が群が
って咲く

山見・花見:葛(かづら)(蔓草)や青葉の枝
花や青葉を見る、国見
霊力をもつ白鳥や鴨などの水鳥を見る→人の生命力を強化する
その霊力が人間に感染し、人の生命力を強化するという魂振りの信仰

呪力のある植物→神祭りに祭場に立てたり、祭りに従事する人々の挿頭、
鬘、たすきにして用いられた:聖化するため
神聖とは元来生命力に満ちた状態をいう
サカキ:栄木→常緑樹

木綿(ゆふ):こうぞや麻の樹皮を水にさらして糸状に細く裂き、ヒラヒラと翻るようにしたもの
    :木綿垂で(ゆふしで)、和弊(にきて)→江戸時代以降は切り紙:御幣(ごへい)
領巾(ひれ):魂振りの呪物、魂を招き寄せるために振る呪物
      細長い布
  衰えた生命力を振り起こす
別れに際して袖を振る:袖が領巾の代わり
仏教の天女→肩に領巾
蛾や蝶→ヒヒルと呼ばれるのはそのヒラヒラと飛ぶ形状に霊力(ヒ)の活動する姿をみたから
ヒレとハタは霊力の活動を意味する語でヒラヒラと翻る形状にもとづく語
ヒロメク→雷の光、幡の翻る姿、蛇の爬行する姿
     霊力の活動する姿→蛇が崇拝の対象

勾玉(曲玉)の形は、丸い玉から霊気が発現する姿を造型した呪物
生命力、霊力としての魂→雲、煙、陽炎、鳥、蛾、蝶
葛(かづら)(蔓草)や青葉の枝は、呪物として挿頭や鬘にした。