大道芸観覧レポート モノクロ・フィルムでつづるkemukemu

大道芸、昔の広告、昔のテレビ番組、中井久夫、フーコー

メモ (4) 折口信夫


折口信夫 「日本藝能史六講」






まれびとを招く
まれびとの力で、家や土地にいる悪いもの・霊を屈服させてもらいたい
鎮魂 ・外からよい魂を迎えて人間の体の中に鎮定させる
魂が遊離すると、悪いものに触れるのでそこに病気などが起こるということから、
その悪いものを防ごうとする
威力をもってそこらの精霊(悪霊)を抑えつけておく
歌を謡う:歌に乗って来る清らかな魂が、人間の中に入るのが目的
    そうすることによって、神聖な霊魂が発動して人間の体の中に入ると見た。
    楽器の演奏も。


アメノウズメノミコト
槽(うけ)を伏せて、その上を踏んだり突いたりする
槽=大地を踏み棒で突きたて鳴らした
→そのなか(大地)にこもっていると考えられた魂がめざめて、外へ出てくる。魂を呼び醒ます
 そして、それを神のご神体の中に送り入れる
籠もる:音も響かない、光線も入って来ないところにじっとしていると、
霊魂が完全に身につくと信じた。→儀式

踏みとどろかして踊る→同時に悪い魂を抑えつけたことにもなる。
反閇;力足で悪いものを踏み抑えつける形をとり、悪い霊魂が頭をあげることができないように、
地下に踏みつけておく形
悪霊を抑えつける、力足を踏む

悪いものを抑えつけるという動作は、悪いものを追い出すという意味をもってくる。悪霊を放逐する
後世の風邪の神送り、疱瘡神送り、虫送り→踊りを伴う
  悪霊が踊りに巻き込まれて出て行くと考えられた。


鎮魂
魂を迎えて体の中に鎮定させる→遊離した魂を呼び戻すという信仰

掛け声で悪霊をおい鎮める呪術もあった。

田遊び:鎮魂の動作、田における鎮魂
    楽器を鳴らすこと、舞踊すること  
    腰鼓→大きくなって田楽鼓
    田をかきならす→揺り起こす 魂を揺すぶる

玉  玉の一つ一つの中に魂が入っていて、それを紐を通して首にかけたので、
   これを揺すぶると音が出て中の魂が出て来る。
   →霊の発動する微妙な音

袖を振る ひれを振る 振ることによって相手の魂が自分の方へ来ると思った。
     相手の魂を招きこふ動作→こひ

神楽の採り物 榊、幣(ぬさ)、杖、篠、弓、剣、鉾、ひしゃくさ、葛
→扇や団扇
採り物を持つということは、ただの人ではなく神としての標

道をながしていく踊り→村境まで踊って行くと、その踊りとともに村の外へ悪霊が出て行くと考えた

盆踊り:7月の盂蘭盆のときに、墓から精霊(祖先の霊魂)が出てきて、
自分のかつて住んでいた村を訪れる形
初春に訪れてくる遠来のまれびとと同じように扱う。
念仏踊りの要素が入り込んでいる
一つの場所に集まってお経を唱えながら念仏をする

歌謡が分化して円陣を作りながら踊る踊り

山の木をはやして来る:神霊の宿る木を分割してくる