大道芸観覧レポート モノクロ・フィルムでつづるkemukemu

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CD 「Maika ~ 舞歌」~オカリナ

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人は、だれでも
身近で亡くなった人の形見というものをもっている。
モノであれ、言葉や行為であれ、
それを形見と思うかどうかは、
そこに、亡くなった人の何らかのメッセージを受け取り、
それを自分の中に受け入れ、身近なものとして、
いつも、いっしょに伴にあるものとして、
大切にするかどうかにかかっている。

ここに1枚のCDがある。

「Maika ~ 舞歌」

舞歌さんは、東京都認定のヘブンアーティストでオカリナ奏者。
東京・上野公園や新宿のオペラシティのガーデンで、
ときどき演奏している。
数多いヘブンアーティストの中でも、
彼女ほど路上での演奏を大切にしている人はいないだろう。
それは、きっと、
路上演奏でのいろいろな人との出会いを大切にしているからだろう。
その姿勢は、演奏のスタイルやちょっとした気づかいや言葉にあらわれている。
これは、そんな舞歌さんのはじめてのCD。


1歳半でお母さんと離れ離れになった舞歌さんは、
小学校3年生のときに、
テレビアニメの「キャプテンハーロック」に登場するマヤのオカリナに惹かれ、
お父さんからクリスマスプレゼントにオカリナを買ってもらったそうだ。
大学卒業後までオカリナとともにささやかな毎日を送っていたが
数年後、お父さんが亡くなり、
オカリナはお父さんが彼女に残した唯一の形見になった。
このオカリナに何か特別なものを感じ、
神戸異人館風見鶏の館前でオカリナを演奏するようになったという。
路上での演奏でのさまざまな人との出会いを通して、
オカリナが本来持つ癒しの力を再確認し、数年後、上京。
井の頭公園を経て、現在では、
東京都認定のヘブンアーティストとして、
上野公園など路上でのライブ活動を行っている。

なお、「マルセリーノ」の曲目解説のなかで、
数十年ぶりに、お母さんとの再会をはたされたことを記している。

舞歌さんは、CDのノートの中で、
「私の夢は・・・
オカリナで一人でも多くの方に幸せを運べるようになること。
みんなの心が暖かくなりますように・・
そんな思いでオカリナを奏でてみました。」と語る。

CD作製の「スペシャルサンクス」の中には、
「上野公園管理局の皆様、東京オペラシティ管理局の皆様、
神戸異人館風見鶏の館前観光案内所の皆様」も入っている。
彼女が路上演奏にかかわってきた関係者の人たち
だ。
こういうことは、なかなかできるものではない。

彼女のオカリナ演奏から、
心が癒され、またあるときは元気をもらえる。
私もその一人である。
単なる自己表現だけのオカリナ奏者ではない。
自らの魂の叫びを静かに昇華した心に沁みる演奏の数々。

舞歌さんは、季節の中では「春」が一番好きだという。
CDには、心のふるさとや春への思いと
魂への祈りが感じられる。

オカリナの演奏によって、、
舞歌さん自身が小鳥になって、
そして風のように軽やかに、
地上と天国の間をつなぐ。

きょうも、
どこかでオカリナを演奏していることだろう。



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