大道芸観覧レポート モノクロ・フィルムでつづるkemukemu

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CD 「Canyon Trilogy」

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Canion Trilogy
R.CARLOS NAKAI




オカリナ奏者、ホンヤミカコ(本谷美加子)さんが、
あるコンサートで、
「Daybreak Vision」という
ネイティブアメリカンのインディアンフルートの曲を
オカリナで演奏しながら紹介していた。

ちょっといい感じの曲だったので、
さっそくインターネットで探し、
その曲が収録されているCD「Canion Trilogy」を取り寄せた。

作曲したカルロス・ナカイはアリゾナ洲で生まれた、
アメリカンインディアンのフルート奏者で、
ネイティブ・アメリカン・フルートの音楽の世界では、
かなり知られている人のようである。
第1回ネイティブアメリカン音楽大賞では、
最優秀男性アーティストと最優秀フルート奏者の両方を受賞。
彼は、ナバホ族の文化の中で育ち、
インディアンの伝統的なフルートと西洋のフルートを融合させたと
いわれている。

ネイティブアメリカンアメリカ先住民)は以前、
アメリカンインディアンと呼ばれていたが、現在はこのように呼ばれている。
南北アメリカ大陸は、
ヨーロッパ人がこの大陸に移住し始めた約500年前までは、
もともとネイティブアメリカンの土地だった。
その部族は北米だけで500を越え、森林、砂漠、平原、沿岸部など
さまざまな気候や風土にあった暮らしを営んできたそうだ。
彼らにの共通した世界観は、
人間を自然の一部ととらえ、自然と調和し、
偉大なる精霊と霊的な存在に大いなる敬意をはらうことだという。

このインディアン・フルートは、調べてみると、
北米のコロンビア台地、平原、森林地帯に住む部族の間で使われていた
レッドシダー(アカスギの一種)で出来た縦笛をさすそうだ。
フルートの音は、命の風であり、大地の声とうけとめられ、
また、女性への求愛のときにも使われたらしい。


さて、このCDの「Daybreak Vision」をはじめとする曲の数々。
あまり抑揚のない、そして拍子のない太いメロディ、
ときには、日本の民謡(馬方節・馬子唄、追分節)のようなこぶし・・・
大地の精霊へのメッセージか・・・
怒りやイライラがしずめられる癒しの音楽というか風のような・・・
じっと聴いていると、美しい雄大な風景が見えてくる。
「Daybreak」は「夜明け」。

しかし、
素人の私には、どういうわけか、どの曲も同じ曲に聴こえしまう!(笑)
曲ではなく、「風」とか「空気」と思えばいいのだろうか。

なお、オカリナ奏者、ホンヤミカコさん作曲の
「今、祈りの中で」という曲もいい。
その導入部には、
「Daybreak Vision」と同じようなイメージを感じる。


ネイティブアメリカンの教えに魅せられた詩人の言葉>

「すべてのものの内には物語がある。
風にも雨にも火にも。
畑のトウモロコシが伸びるときに立てる音にさえ。
川には雄大な物語がたくさん。
木の上でさやさやと揺れる木の葉にも物語がある。
耳に小石を当ててその話を聞こう。
貝殻はびっくりするような話を聞かせてくれる。
風に書かれた文字もまた。

一番難しいのは沈黙を聞くことだ。
私たちは会話や雑音で沈黙を埋める。
それから気をそらす。
そうした衝動に耐えること。
・・・
沈黙の中では、大きな夢を見ることができる。
自分自身の音楽を見つけることができる。
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じっと耳を傾ければ自分の内なる声が聞こえる。
それは聞くものに真実を告げる、
たとえ聞きたくないと言っても。」
(「今日という日は贈りもの」ナンシー・ウッドから)



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