大道芸観覧レポート モノクロ・フィルムでつづるkemukemu

大道芸、昔の広告、昔のテレビ番組、中井久夫、フーコー

独裁者(7)

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ヒトラー、ナチズムの特徴>
(注)体系性のない単なるキーワードのリストアップ
 

●大衆の支持に立った全体主義
独裁者・指導者の人気、
大衆運動、運動に対する熱狂的忠誠、自己放棄、
秘密結社的な運動の原則を大衆運動に適用
大衆の支持→軍需景気による失業者の減少、外交的、軍事的成功、
ヒトラーユーゲントの組織化

●「最高の法」は「総統の意志」

国防軍に対する秘密警察、SS(親衛隊)の優位
精鋭組織と組織された暴力、
ナチ親衛隊国家:監視活動とテロ活動、国家、軍事機構より優先、
ドイツ本土、戦争中の占領地における権力の確保、敵対者の迫害と殲滅、
ヒムラ-:親衛隊と一般警察の長官
秘密警察国家:州の政治警察はゲシュタポに直属、
国家中央保安局:「ユダヤ人問題の最終解決」を担当

●地球支配、世界支配のイデオロギー
自分たちに敵対する世界的な陰謀のフィクションによる世界支配

●反共産主義、反民主主義、反自由主義

●個人のアトム化、大衆社会が背景

●行動主義、純然たる必然性の圧倒的、絶対的な力に対する信仰

●テロル活動に対する偏愛
テロルは自己を表現し、既成のもの一切に対する自分たちの憎悪と盲目的な怨恨を表現する手段
国家権力を盾にした弾圧はテロ活動によって補完、テロルの無目的化
ナチ突撃隊:テロ活動を直ちに展開するための最重要組織、暴力・破壊に対するヒステリーじみた欲求

反ユダヤ主義
反ユダヤ主義を自己規定の原理とした。
大衆にとっても自己確認の手段であり、プロパガンダにより見せかけの安定とヒステリー的自信を得る。ユダヤ人の基本的人権の撤廃、
ユダヤ人をスケープゴートへと捏造することによって、
国民の国家への集団帰属感情を強化。
ユダヤ陰謀論

●「民族共同体」
世界陰謀と世界征服の人種イデオロギー:敵とされたユダヤ
ドイツ民族は世界の支配者となるべき使命をもっている
ドイツ民族の優越性、「ドイツの血の純潔が守られてこそ、ドイツの未来があり、ゲルマン人種の混血化はわれわれから世界支配を奪う」と主張
合目的性はしりぞけられ、人種イデオロギー優先

●自然の法則が運動そのもので、自然の法則の人間における表現としての人種法則
ダーウィンの進化の観念を自然の中に導入した社会ダーウィニズム
→人種主義、
歴史を社会的ダーウィニズムの観点から解釈
劣等人種、生きるに値しない有害なもののすべてを除去するのが自然の法則
(優勝劣敗の社会進化論
優生学説→ユダヤ人の排除、抹殺
民族共同体:選良のためのイデオロギー、障害者の強制断種、処刑

●一切の人間を分ける二分法

●未来において純粋に擬制的な世界の構築
無限のかなたに究極の世界支配という目的→擬制的な世界の現実化
千年王国

●戦争のおかげで人種社会というナチのファシズムの遂行が促進

強制収容所
全体主義の実験室
すべては可能であるという証明、不可能なことが可能に
組織的なユダヤ人の絶滅のプログラム
死の大量生産工場
強制収容所:死後の生、人間が無用となる。
絶対的な悪、ニヒリズム、非現実性、無意味性
人間の肉体をきわめて冷徹に計画的に組織的に破壊する方法が取られた。
合法的な装い:「国民と国家の保護令」がよりどころ
ユダヤ人および劣等とみなされたユダヤ人以外の人々を官僚的、組織的に殺戮。
労働可能な収容者は強制労働

法治国家の空洞化
全体主義の第一歩は法的人格の抹殺、予防措置としての「保護拘禁」

●拷問
全体主義体制の司法、警察制度のすべての段階での中枢的役割

●自由が自然や歴史の過程の解放にとって危険と考えられた
→テロル

外交政策
他民族から略奪し、彼らを征服。
第2次大戦はナチの体制を奉じるものたちにとって必然的な結果。
軍事上、外交上の力:国民間に広がりつつあった国家統一の希求のエネルギーの解放、軍事力による決着

●ドイツ人のために多くの「生活圏」を求めようとする攻撃的で膨張主義的な要求、地域略奪

●州や郡の統制

●体制の敵、労働運動の指導者の逮捕、処刑、労働組合の解体

ヒトラーの卓越したプロパガンダ
示威行動、メディア、広告:大衆心理を活用。
通俗性、単純化、わかりやすいシンボルを選択し、敵か味方かの二者択一の図柄を使用。
新聞、ラジオ、映画などメディアをプロパガンダに活用
英雄的行為の重視

●密告:ゲシュタポの成功の80%は密告

●特別(民族)裁判所の権限の拡大
国家と国土への裏切りとしてすべての不法行為は有罪判決、処刑





しかし、その方法はともかく、
ヒトラー・ナチズムの核心的な部分は、
政権獲得後に推進された政策、行動をみても、
人類史上、最大の犯罪、ホロコーストを引き起こした反ユダヤ主義にある。
チャップリンが映画「独裁者」で描いたのは、
まさに、このヒトラー反ユダヤ主義であった。
反ユダヤ主義による世界支配・・・



(次回につづく)




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