大道芸観覧レポート モノクロ・フィルムでつづるkemukemu

大道芸、昔の広告、昔のテレビ番組、中井久夫、フーコー

映画

「チェンジリング」

「チェンジリング」(監督:クリント・イーストウッド) この映画は単に、 暴力や腐敗した権力・組織との正義の闘い、 息子探しと「母は強し」の物語だったのだろうか。 人は、だれでも一生のうちで何回か もし、自分があのとき、こうしていれば・・・・・ …

「チェ 28歳の革命」&「チェ 39歳別れの手紙」

「チェ 28歳の革命」」&「チェ 39歳別れの手紙」 (監督:スティーヴン・ソダーバーグ) 「ゲバラ日記」(1968年発行) 実は、映画の俳優より、 本物の方がはるかにカッコいい! <革命家としてのヒーローの条件> ・革命への情熱と不動の信念 ・戦…

「懺悔」 (3)

「懺悔」(グルジア映画 監督:テンギズ・アブラゼ 東京・岩波ホール) 革命の勝利の瞬間から、仲間割れ・内部抗争が始まる。 権力の集中による権力の安全・安定化をはかるため、 まず一党独裁制を確立し、党と国家を一致させる。 そして、党内分派活動を禁…

「懺悔」 (2)

・・・・ (新聞記事を読む→画像をクリック) *「朝日新聞に見る日本の歩み」から1937年「赤軍粛清」関連記事(左) 見出し「ソ連の極東粛清」 これによると、ソ連での粛清がわずか2週間で大きな広がりをみせ、 異常な勢いをもっていたことがわかる。 …

「懺悔」 (1)

・・・・ (新聞記事を読む→画像をクリック) *「朝日新聞に見る日本の歩み」から1937年「赤軍粛清」の記事 ・・・・・・

「おくりびと」

「おくりびと」(監督:滝田洋二郎) 「おくりびと」は 「送られる人」と「送る人」をつなぐ。 送る人からのメッセージを送られる人に渡し、 同時に、送られる人のメッセージを送る人に伝える。 そして、逝くものが安らかに新たな世界に旅立てるよう、 心をこ…

「ダークナイト」

「ダークナイト」 (監督:クリストファー・ノーラン) ゴッサムという町は、混沌とした無法の世界である。 ジョーカー(ニヒリズムから生まれた悪の道化師) 平和をきらい、愛を笑い、世界が破滅していくことに悦びを感じる。 すべての正体を暴いてまわって…

「いまここにある風景」

「いまここにある風景」(監督:ジェニファー・バイチウォル) カナダ人の写真家、エドワード・バーティンスキーが現代の中国を訪ね、 産業の現場の風景を撮る姿を描いたドキュメンタリー。 巨大工場の生産ライン 廃棄された電子機器のゴミの山と手作業によ…

「最高の人生の見つけ方」

「最高の人生の見つけ方」(監督:ロブ・ライナー) 人は生きる期限や終わりを知ったとき、 どう生きるだろうか。 この映画の原題は「THE BUCKET LIST(棺おけリスト)」。 まさに、このタイトルこそが映画のテーマである。 「BUCKET LIST」は死ぬまでにこれ…

潜水服は蝶の夢を見る

「潜水服は蝶の夢を見る」(監督 ジュリアン・シュナーベル) この映画は、レントゲン写真からはじまる。 黒澤明監督の「生きる」のように。 そして、目からの視点の衝撃的な映像。 シャルル・トレネの「ラ・メール(海) 」が流れる。 主人公は、死や病と向き…

ALWAYS 続・三丁目の夕日

「ALWAYS 続・三丁目の夕日」(監督:山崎貴 原作:西岸良平) 石原裕次郎は「嵐を呼ぶ男」で、ドラムをたたいていた 映画館は二本立て、三本立てが多かった 東映の時代劇 立ち見することもあった テレビが普及し出したのは、 皇太子(今の天皇)ご成…

殯の森  (2)

殯(もがり)の森 (監督:河瀬直美) 目黒シネマ タイトルの殯(もがり)とは、映画によると、 敬う人の死を惜しみ、しのぶ時間のこと、 また、その場所の意 語源に「喪あがり」喪があける意、か。という。 もう少し、くわしく調べてみると。 殯とは、古代…

殯の森  (1)

殯(もがり)の森 (監督:河瀬直美) 目黒シネマ (*クリックすると拡大!) 上の写真は、 映画のプログラムにのっていた出演者たち。 高齢者の方は、ロケ地の奈良県奈良市田原地区の人たちだ。 みなこの映画に出演している。 きっと、撮影の合間の休憩時…

パンズ・ラビリンス (2)

(1)よりつづく しかし、実際のスペイン内戦(1936~1939)は、 この映画でみられるような 「ファシズム:ビダル大尉=悪、怪物・究極の恐怖 ゲリラ=善」という図式だったのだろうか。 監督は「ファシズムは究極の恐怖を象徴、純潔の曲解、魂の死」という…

パンズ・ラビリンス (1)

「パンズ・ラビリンス」(監督:ギレルモ・デル・トロ) この物語は、スペイン内戦が終わったところから、はじまる。 スペイン内戦は、1936年7月に勃発し、 1939年3月末フランコの叛乱軍のスペイン全国の制圧によって終わった。 1944年。フランコの圧制に対…

白い馬の季節

「白い馬の風景」(季節中的馬) 監督ニンツァイ (東京・岩波ホール) 監督のニンツァイは、この映画を撮るきっかけを、次のように語っている。 「何年か前に故郷に帰った際、以前の緑で限りなく広がる偉大な草原は、 徐々に風と砂埃の影響を受け、傷だらけの…

エディット・ピアフ 愛の讃歌

「エディット・ピアフ 愛の讃歌」(監督 オリヴィエ・ダアン) じっと目をつぶって、 ピアフの歌だけ聴いていても、その魂の声の迫力に圧倒される。 歌と愛に生きたピアフのドラマ、 きっと2時間余では語りつくせないにちがいない。 映画は、ピアフに数々の…

「ルオマの初恋」によせて

「ルオマの初恋」によせて 映画「ルオマの初恋」を観て、 この人の著作を思い出す。 岩田慶治さんだ。 雲南ではないが、主にタイ、ラオスなど東南アジアを中心に、 少数民族、山地民族の地に行き、 地元の人と生活し、その中で歩きながら、いろいろ考えた人…

ルオマの初恋 (2)

「ルオマの初恋」 監督:章家瑞(チアン・チアルイ) 中国映画 (東京都映画美術館) その2 以前、タイ北部の少数民族をたずねるトレッキングツアーに 参加したことがあった。(カレン族とラフ族) 少数民族の女性の民族衣装やかぶりものにつける装飾は、さ…

ルオマの初恋 (1)

「ルオマの初恋」 監督:章家瑞(チアン・チアルイ) 中国映画 (東京都映画美術館) この映画は、私を文句なく感動させた。 それは、ルオマの初恋のもつせつなさという面だけでなく、 ルオマの自然な笑顔、アミンをみつめる目と表情である。 はじめてヘッド…

生きる

「生きる」(監督:黒澤明・昭和27年) 東京・テアトル新宿にて (画像は、保存してあったリバイバル当時のプログラムの表紙) 「生きる」は、リバイバル時の昭和49年(33年前)に、はじめて観た。 今回、東京の映画館で黒澤明監督特集を開催していたの…

ロッキー・ザ・ファイナル

ロッキー(監督:シルベスター・スタローン) あれから、もう30年になるのかと複雑な気持ちになる。 「ロッキー」(1976)、「ロッキー2」(1978)は、 封切り後、劇場で見た。 しかし、その後の「ロッキー」は見なかった。 見ようと思わなかった…

善き人のためのソナタ

渋谷・シネマライズ 映画「善き人のためのソナタ」 1984年、東西冷戦下の東ベルリン。 この映画は、相互監視社会を描き、 あたかも緊迫感あふれるサスペンスドラマとして仕上がっている。 2時間余りという映画の時間の長さを、まったく感じなかった。 …

硫黄島からの手紙

「硫黄島からの手紙」を観る 実は、この映画を見てから半月経つ。 なぜか、「父親たちの星条旗」のようには、すぐに感想をかけなかった。 しかし、今年中に、 感動の渦を巻き起こした硫黄島ブームの中で、 批判覚悟で、あえて水をさし、書いておかなければな…

ノスタルジア

11月23日・吉祥寺「バウスシアター」にて 「ノスタルジア」(監督 アンドレイ・タルコフスキー) 「ノスタルジア」は、私に強い衝撃を与えた。 実は映画のはじめは、何度となく眠気に誘われた。 しかし、美しい映像の数々。 ドメニコのイタリアのローマ…

パリ,テキサス

11月11日・吉祥寺「バウスシアター」にて 「パリ,テキサス」(監督 ヴィム・ヴェンダース) ネットで検索し、20年ぶりにもう一度観る。 私の足元の状況も大きく変わった。 あちこちさがし、やっと、当時のパンフレットがみつかった。 名作には、必ず印…

父親たちの星条旗

映画「父親たちの星条旗」を観る 監督のクリント・イーストウッドはいう。(プログラムから) 「私が観て育った戦争映画のほとんどは、悪玉と善玉がはっきり分かれていた。 だが、人生はそんなものではないし、戦争もそんなものではない。 この2本の映画は…

手紙

映画「手紙」を観る プログラムのはじめに、 「罪を犯すとはどういうことか、刑罰とは何なのか、 真の更正とは- そんなことを考えながら書きました」(原作・東野圭吾) 「人間ってすてたもんじゃねえ、ってことを伝えたかったんです」(監督・生野慈朗) …

フラガール

「フラガール」を観る たしかに当時、常磐ハワイアンセンター(現・スパリゾートハワイアンズ)は 有名だったが、開設にこんなかくされたドラマがあったとは。 映画は、2時間という時間を感じさせなかった。 むだのない展開と気のきいた音楽、 そして、炭鉱…

ヨコハマメリー

「ヨコハマメリー」 10月7日 東京・三軒茶屋中央劇場 春の封切りだったが忘れていて、上映館をネットで探し、東京で観る。 三軒茶屋中央劇場の建物の外観は古く、なつかしい感じがする。 入ると、男子トイレの案内はなんと「殿方洗面所」になっていた。 …