大道芸観覧レポート モノクロ・フィルムでつづるkemukemu

大道芸、昔の広告、昔のテレビ番組、中井久夫、フーコー

#その他芸術、アート

CD 「Barbara」

Barbara いま、このBarbaraの歌を静かに聴いている。 バルバラ(1930年- 1997年)は、 フランスのシャンソン歌手、作詞家、作曲家。 約20年前にはじめて、バルバラの歌をこのCDで聴いたとき、 私は、大変な衝撃を受けたことを覚えている。 それまでのシ…

CD 「Canyon Trilogy」

Canion Trilogy R.CARLOS NAKAI オカリナ奏者、ホンヤミカコ(本谷美加子)さんが、 あるコンサートで、 「Daybreak Vision」という ネイティブアメリカンのインディアンフルートの曲を オカリナで演奏しながら紹介していた。 ちょっといい感じの曲だったの…

CD 「Maika ~ 舞歌」~オカリナ

・・・・・ 人は、だれでも 身近で亡くなった人の形見というものをもっている。 モノであれ、言葉や行為であれ、 それを形見と思うかどうかは、 そこに、亡くなった人の何らかのメッセージを受け取り、 それを自分の中に受け入れ、身近なものとして、 いつも…

「チェンジリング」

「チェンジリング」(監督:クリント・イーストウッド) この映画は単に、 暴力や腐敗した権力・組織との正義の闘い、 息子探しと「母は強し」の物語だったのだろうか。 人は、だれでも一生のうちで何回か もし、自分があのとき、こうしていれば・・・・・ …

「チェ 28歳の革命」&「チェ 39歳別れの手紙」

「チェ 28歳の革命」」&「チェ 39歳別れの手紙」 (監督:スティーヴン・ソダーバーグ) 「ゲバラ日記」(1968年発行) 実は、映画の俳優より、 本物の方がはるかにカッコいい! <革命家としてのヒーローの条件> ・革命への情熱と不動の信念 ・戦…

「懺悔」 (3)

「懺悔」(グルジア映画 監督:テンギズ・アブラゼ 東京・岩波ホール) 革命の勝利の瞬間から、仲間割れ・内部抗争が始まる。 権力の集中による権力の安全・安定化をはかるため、 まず一党独裁制を確立し、党と国家を一致させる。 そして、党内分派活動を禁…

「懺悔」 (2)

・・・・ (新聞記事を読む→画像をクリック) *「朝日新聞に見る日本の歩み」から1937年「赤軍粛清」関連記事(左) 見出し「ソ連の極東粛清」 これによると、ソ連での粛清がわずか2週間で大きな広がりをみせ、 異常な勢いをもっていたことがわかる。 …

「懺悔」 (1)

・・・・ (新聞記事を読む→画像をクリック) *「朝日新聞に見る日本の歩み」から1937年「赤軍粛清」の記事 ・・・・・・

「おくりびと」

「おくりびと」(監督:滝田洋二郎) 「おくりびと」は 「送られる人」と「送る人」をつなぐ。 送る人からのメッセージを送られる人に渡し、 同時に、送られる人のメッセージを送る人に伝える。 そして、逝くものが安らかに新たな世界に旅立てるよう、 心をこ…

「ダークナイト」

「ダークナイト」 (監督:クリストファー・ノーラン) ゴッサムという町は、混沌とした無法の世界である。 ジョーカー(ニヒリズムから生まれた悪の道化師) 平和をきらい、愛を笑い、世界が破滅していくことに悦びを感じる。 すべての正体を暴いてまわって…

「いまここにある風景」

「いまここにある風景」(監督:ジェニファー・バイチウォル) カナダ人の写真家、エドワード・バーティンスキーが現代の中国を訪ね、 産業の現場の風景を撮る姿を描いたドキュメンタリー。 巨大工場の生産ライン 廃棄された電子機器のゴミの山と手作業によ…

「最高の人生の見つけ方」

「最高の人生の見つけ方」(監督:ロブ・ライナー) 人は生きる期限や終わりを知ったとき、 どう生きるだろうか。 この映画の原題は「THE BUCKET LIST(棺おけリスト)」。 まさに、このタイトルこそが映画のテーマである。 「BUCKET LIST」は死ぬまでにこれ…

潜水服は蝶の夢を見る

「潜水服は蝶の夢を見る」(監督 ジュリアン・シュナーベル) この映画は、レントゲン写真からはじまる。 黒澤明監督の「生きる」のように。 そして、目からの視点の衝撃的な映像。 シャルル・トレネの「ラ・メール(海) 」が流れる。 主人公は、死や病と向き…

ALWAYS 続・三丁目の夕日

「ALWAYS 続・三丁目の夕日」(監督:山崎貴 原作:西岸良平) 石原裕次郎は「嵐を呼ぶ男」で、ドラムをたたいていた 映画館は二本立て、三本立てが多かった 東映の時代劇 立ち見することもあった テレビが普及し出したのは、 皇太子(今の天皇)ご成…

殯の森  (2)

殯(もがり)の森 (監督:河瀬直美) 目黒シネマ タイトルの殯(もがり)とは、映画によると、 敬う人の死を惜しみ、しのぶ時間のこと、 また、その場所の意 語源に「喪あがり」喪があける意、か。という。 もう少し、くわしく調べてみると。 殯とは、古代…

殯の森  (1)

殯(もがり)の森 (監督:河瀬直美) 目黒シネマ (*クリックすると拡大!) 上の写真は、 映画のプログラムにのっていた出演者たち。 高齢者の方は、ロケ地の奈良県奈良市田原地区の人たちだ。 みなこの映画に出演している。 きっと、撮影の合間の休憩時…

パンズ・ラビリンス (2)

(1)よりつづく しかし、実際のスペイン内戦(1936~1939)は、 この映画でみられるような 「ファシズム:ビダル大尉=悪、怪物・究極の恐怖 ゲリラ=善」という図式だったのだろうか。 監督は「ファシズムは究極の恐怖を象徴、純潔の曲解、魂の死」という…

パンズ・ラビリンス (1)

「パンズ・ラビリンス」(監督:ギレルモ・デル・トロ) この物語は、スペイン内戦が終わったところから、はじまる。 スペイン内戦は、1936年7月に勃発し、 1939年3月末フランコの叛乱軍のスペイン全国の制圧によって終わった。 1944年。フランコの圧制に対…

白い馬の季節

「白い馬の風景」(季節中的馬) 監督ニンツァイ (東京・岩波ホール) 監督のニンツァイは、この映画を撮るきっかけを、次のように語っている。 「何年か前に故郷に帰った際、以前の緑で限りなく広がる偉大な草原は、 徐々に風と砂埃の影響を受け、傷だらけの…

エディット・ピアフ 愛の讃歌

「エディット・ピアフ 愛の讃歌」(監督 オリヴィエ・ダアン) じっと目をつぶって、 ピアフの歌だけ聴いていても、その魂の声の迫力に圧倒される。 歌と愛に生きたピアフのドラマ、 きっと2時間余では語りつくせないにちがいない。 映画は、ピアフに数々の…

「ルオマの初恋」によせて

「ルオマの初恋」によせて 映画「ルオマの初恋」を観て、 この人の著作を思い出す。 岩田慶治さんだ。 雲南ではないが、主にタイ、ラオスなど東南アジアを中心に、 少数民族、山地民族の地に行き、 地元の人と生活し、その中で歩きながら、いろいろ考えた人…

ルオマの初恋 (2)

「ルオマの初恋」 監督:章家瑞(チアン・チアルイ) 中国映画 (東京都映画美術館) その2 以前、タイ北部の少数民族をたずねるトレッキングツアーに 参加したことがあった。(カレン族とラフ族) 少数民族の女性の民族衣装やかぶりものにつける装飾は、さ…

ルオマの初恋 (1)

「ルオマの初恋」 監督:章家瑞(チアン・チアルイ) 中国映画 (東京都映画美術館) この映画は、私を文句なく感動させた。 それは、ルオマの初恋のもつせつなさという面だけでなく、 ルオマの自然な笑顔、アミンをみつめる目と表情である。 はじめてヘッド…

生きる

「生きる」(監督:黒澤明・昭和27年) 東京・テアトル新宿にて (画像は、保存してあったリバイバル当時のプログラムの表紙) 「生きる」は、リバイバル時の昭和49年(33年前)に、はじめて観た。 今回、東京の映画館で黒澤明監督特集を開催していたの…

ロッキー・ザ・ファイナル

ロッキー(監督:シルベスター・スタローン) あれから、もう30年になるのかと複雑な気持ちになる。 「ロッキー」(1976)、「ロッキー2」(1978)は、 封切り後、劇場で見た。 しかし、その後の「ロッキー」は見なかった。 見ようと思わなかった…

善き人のためのソナタ

渋谷・シネマライズ 映画「善き人のためのソナタ」 1984年、東西冷戦下の東ベルリン。 この映画は、相互監視社会を描き、 あたかも緊迫感あふれるサスペンスドラマとして仕上がっている。 2時間余りという映画の時間の長さを、まったく感じなかった。 …

硫黄島からの手紙

「硫黄島からの手紙」を観る 実は、この映画を見てから半月経つ。 なぜか、「父親たちの星条旗」のようには、すぐに感想をかけなかった。 しかし、今年中に、 感動の渦を巻き起こした硫黄島ブームの中で、 批判覚悟で、あえて水をさし、書いておかなければな…

タルコフスキー語録(了)

「映像のポエジア」(キネマ旬報社)より(4) 人類を滅ぼすことができる戦争の脅威が現実的なものとなり、 社会的貧困が最大限の衝撃を与え、 人類の苦悩が大声で祈りをあげるこの世界で、 必要不可欠なのは、お互いに結びつきあう道を探求することである…

タルコフスキー語録 (6)

「映像のポエジア」(キネマ旬報社)より(3) 写真は「タルコフスキー・アット・ワーク」から 告白しなければならないが、 映画は音楽をまったく必要としていない、 と私は心の奥でひそかに信じている。 ・・・・・ 映画的映像を真に音楽的なものにするた…

タルコフスキー語録 (5)

「映像のポエジア」(キネマ旬報社)より(2) 現代人の大衆文化、消費者のために用意されたまがいものの文明は、 人間が魂を治癒しようとするとき、 人間存在の本質的問題をに向かおうとしたり、 あるいは自分自身を精神的なるものとして、自覚しようとす…